アルコール・オア・ダイ

酩酊オタクの酔いどれ雑記。基本酔っぱらいの戯れ言

萩谷担の特撮オタクが舞台「仮面ライダー斬月」を見てきた話

発表から2か月。WEBに写真だ、インタビューだ!とソワソワしていたら、記者会見とゲネプロ映像が流れ(お外の世界手厚い…)気が付いたら初日を迎え、あっという間に東京千穐楽でした。
舞台、仮面ライダー斬月
がっつりというほどでもないですけども、複数回、見てきました。

私は、萩谷担であり特撮オタクです。
一言でいうと、

超 最 高 !!

でした。

鎧武のことも萩ちゃんのバックボーンも知っている身としては、涙腺崩壊ポイントが多すぎた。見ている間ずっと胸がぎゅーーっとする感じが続いてました

貴虎と少年達の物語として、鎧武のスピンオフとして、大人のためのヒーローショーとして、こんなに良いものを見せてもらえて、萩谷担としても、特撮オタとしても、冥利に尽きます。
本当にありがとうございます。

もう、東京千穐楽も終わったから、ネタバレ含む感想をブログなら書いてもいいかな、と思い、いろんな事を徒然に書いていこうかなと思います。
昼に書いてますけど、基本飲んでても飲んでなくても酔っぱらいのたわごとです。

 


この舞台は、紛れもなく仮面ライダー鎧武の世界だった。1年間の鎧武の物語を110分にぎゅーっと凝縮しつつ、オリジナルへのオマージュ、スピンオフとしてのオリジナル感も大事にされていて、とても鎧武だった。
用語としては鎧武を見ていないと難しい部分もあったとは思うけど、知らずに見ていても物語として十分面白かったよね。
主人公は呉島貴虎だけど。だからこそ、物語の再構築が可能になったのと同時に、若者だけではなく、大人だったはずの貴虎が、もう一度未来を見つめられる、ただの罪滅ぼしとして「後始末」のために生きるのではなく、本当になすべきことを見つける物語に思えた。
それぞれのキャラクターが本編のキャラクターになぞらえられて、でもやっぱり、違う人間で違う答えを持っていて。鎧武を鎧武たらしめていた本質がきちんと守られているのは、ほんとにもう、毛利さんさすが。

3つのチームに分かれて戦っている少年たちの必死さと世界の狭さ、それをもたらした貴虎を含む大人がなすべきこと、力を持つ意味、孤独と守りたいという思い、ノブレス・オブリージュという言葉の呪縛と誇り、それらが一つの物語の中で、貴虎の過去と未来、少年たちの命と未来を描くことで舞台の上で進んでいく。
どのシーンでもすごい熱量が渦巻くように存在するのを、こちらも拳に力を込めて見届けなくてはいけない、という気持ちにさせられる。
苦しみや悲しみ、絶望の後にやってくる、未来への希望。それが、たとえささやかでも、それを手にするために、切り開いていくために、命を懸けて戦うという、仮面ライダーの命題のようなものが、110分のなかにあった。

物語として、純粋に面白かったし、変身シーンやアクションは心が躍ってしまうし、現実に目の前でライダーが闘っているのを見ると、特オタなので無条件で熱くなってしまった。
すっごい単純に、斬月カチドキアームズ めっちゃかっこいいので、S.H.フィギュア買いますね。


さて、ここからは萩ちゃんとアイムのことを。(こっからの方が気持ち悪いです…)
アイムという役が本当に本当によくて。明るくて熱くて仲間思いで責任感が強くて、でもまだ少年で、こんな世界でなければきっと、もっとキラキラした未来への道を歩いていたんだろうなって思わせてくれる。
でも、過酷な状況で生き抜いてきた図太さや強さ、それなりの多分狡さというか賢さも持ち合わせていたり、とことんまで非情になれなかったりと、本当にヒーローものの主人公!という感じだった。


ていうか。
アイムとして舞台に立つ萩ちゃんが、ほんとにかっこよくて、アイムのセリフの数々が、あまりにもあまりにも、萩谷担(をはじめラブ担)の心を鷲掴んでぐらぐらと揺さぶってくるから、これは、鎧武のスピンオフで、貴虎が主人公の斬月という舞台で、話しているのはアイムという少年で、紘汰さんの写し身で……ていうのが、一瞬全部吹っ飛んで、彼らと我々の物語なのではという錯覚に陥ったくらい。

でもそれはあの世界で生きるアイムの言葉であって……こんなにオーバーラップするなんて予想だにしなかったので、初見の動揺がハンパなかった。

見た目はアーマードライダーなのに、声は確かに萩ちゃんだから、「ここからは俺たちのステージだ!」ていう序盤のセリフで、涙腺が一気に崩壊してしまった…

アイムの好きなシーン、ていうと、もうでてるところ全部。みたいになってしまうけど、それでも敢えていうと2カ所あって。
一つ目は、リーダーだったインベスを倒してしまってから、フォラスと戦って生き残ってみせる!と覚悟を決めるシーン(シーンていうには長いけれども)
苦悩と悲しみと後悔とで、地面に突っ伏して号泣するところ、貴虎が実験の中枢だったことを知ってさらに大きな絶望に襲われて、貴虎に掴みかかって泣くところ、自棄気味に、俺たちってなんなんだろうな、と冷笑混じりに話すところ、もう戦うのはやめたんだ、と子どものような口調でいうところ、その後、フォラスが現れて、戦う意味を見いだして、フォラスにとどめを刺すところ…ここだけで、感情のアップダウンが激しくて、すごい熱量で、でも、フォラスに対して、「ごめんな、フォラス」というとき、柔らかく本当にすまなそうにいうときと、強い覚悟を込めていうときがあって、萩ちゃんの中に演技プランとしては2通りあるのかなって、後で冷静になって思ったりした。

2つ目はグラシャと最後の戦いに挑むところ。あの2人が掛け合うように自らの魂を叫んで、変身する瞬間に、鳥肌がぶわっとたって、二人の認め合いながら相容れず、戦うしかない悲哀と覚悟がお互いにスパークして見ているこちらがゾクゾクした。結果は悲しいものにしかならないけれど、それでも二人の間にあったのは友情だったんだろうと思える、すごく熱いシーンだった。

その後にアイムが自分が手に掛けたグラシャ、フォラス、リーダーと呼びかけるとき、それぞれの名前の声色と表情が違って、相手に対する感情が違うことを表現しているような気がした。

ちょっと生意気な口調で話すところや、コミカルなシーンもかわいかったけど、終盤に近づくにつれ、揺るぎない強さと覚悟がアイムの体に漲っていくように見えるところが本当にすごいなって。

それから…やっぱりあのシーンははずせない。(2カ所じゃなかったのか)紘汰さんが降りてくるところ。あんな風に、少し儚くて優しくて、包み込むような威厳すらあるような…それはすでに始まりの男であり、神となった紘汰さんにならなければならないシーンだから、あそこがダメだったら全部台無しだったと思うんですよ。
演出上もすごい賭けだったんじゃないかと思うんだけど、あのシーンで、特オタ、それも鎧武オタのみなさんが、大絶賛してくれたってことが、萩ちゃんがアイムを演じたことの答えの一つだったんじゃないか……という風にも思ったりします。

 

大人の出演者のみなさんは言わずもがな、共演の若手俳優のみんなもすごく良かった。
貴虎兄さんは文句なく現実に存在する貴虎だったし、雅仁も貴虎と対等な立場にあるラスボスとしての存在感だったし、大高さんはもちろんさすがです。ベリアルの小沼君は、とにかく手足長くて立ち姿がきれいですね。強そうだしかっこよかった。
フォラスの宇野くんはムードメイカーであり、物語が動くきっかけになるのだけど、立ち位置としての小物感がうまいし、アクションがすごく映えるなあと。グラシャの増子君はお顔はきゅるるんとしてるのに、強くて孤高で美しいチームのトップとして、そこにいることに説得力があった。
ベリトとオセ、パイモンとグシオンがそれぞれチームのカラーをしっかり出していて、それもすごく良かった。パイモン役の後藤君が好みです笑
で、影正役の原島君がものすごかった。押さえた演技とヒステリックなところを行き来する役で、熱演だったなと思います。あと本人のキャラとにギャップすごい笑。鎮宮兄弟役と中の人のキャラが違いすぎてびっくりするね笑

あとスーアクさん!斬月とオーバーロードのスーアクさんがとにかくかっこよくて、面のお芝居込みで格好良かったです。

萩ちゃんがみんなの先頭でセンターで踊るダンスシーンは本当に格好良かったし…他の人と違って、ターンの時最後まで顔が残るところとか、私の大好きな萩ちゃんのエモーショナルなダンスがお芝居の中で踊るのにとても似合ってるなあとか…ていうか、そんなところが見られると思ってなかったので夢中で舞台を見てた特オタの心からグワッと萩谷担の気持ちが沸いてきたりして、自分の感情も忙しかったです。

このあと、京都の4日間で斬月が終わってしまって、もうトルキア共和国に行けないしあの少年達にあえないと思うとめちゃくちゃ淋しいのですが、最後まで見届けたいと思います。


やや特オタ目線強めでの感想でした。
萩ちゃんの個人的なことは、また、別エントリで書きますね。(まだ書くことあるんかい)